相続対策は、相続が発生してからではほとんど何もできません。相続対策は生前から計画的に進める必要があります。
では、生前とはいつからか?日本人の平均余命は男女ともに80歳を超えておりますが、死の間際では採用できる相続対策は限定的となってしまいます。相続対策は早いに越したことはありません。50歳から考え始めても早すぎることはありません。
当事務所が目指す相続対策の目的は、「円満な相続による次世代への資産承継」です。相続対策と言えば、世間では節税対策をイメージされる方も多いですが、当事務所では円満相続のために、以下の3点をバランスよく考慮して対策を立案いたします。
相続税は少ないに越したことはありませんが、遺産分割対策よりも節税対策を優先すると歪んだ相続となる傾向があり、結果として円満相続が実現できず、相続争いに発展しかねません。
遺産分割対策は、当事務所が最も力を入れている分野でもあります。具体的には以下の3点を重要視しております。
自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | |
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作成方法 | 遺言者が、日付、氏名、財産の分割内容等の全文を自書し、押印して完成。 (注)2019年からは財産目録についてはワープロ書きが認められた。 | 遺言者が原則として、証人2人以上とともに公証役場に出かけ、公証人に遺言内容を口述し、公証人が筆記して完成。 |
メリット |
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デメリット |
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相続税は少ないに越したことはありません。しかし闇雲に節税対策を推進すると相続争いに発展しかねないことは先にも述べました。当事務所では、採りうる最良の税対策のみを厳選し、ご提案しております。以下具体例を記します。
例)借地権割合: 70%
借家権割合: 30%
賃貸割合 :100%
更地は最も相続税評価額が高く、賃貸物件を建築したり、土地を他人に貸し付けると評価額が低くなる。
さらに賃貸物件の購入に際し、借入れをすることにより、相続財産評価額から借入金残高を控除できる。
(注)小規模宅地等の特例
被相続人が自宅や事業用として使用していた宅地を相続により取得し、従来と同様の用途に引き続き利用することとした場合、一定の面積までは最大80%相続税評価額を減額するという制度
土地の有効活用例
(前提)
時価5,000万円の更地(または青空駐車場)を保有。ここで8,000万円の借入れをし、アパートを建築。
条件)借地権割合:70%
借家権割合:30%
賃貸割合 :100%
①アパート8,000万円×約70%(注1)=5,600万円
5,600万円×(1-30%)=3,920万円
(注1)固定資産税評価割合は、時価の概ね7割と言われている。
②敷地5,000万円×約80%(注2)=4,000万円
4,000万円×(1-(70%×30%×100%))=3,160万円
(注2)路線価評価割合は、時価の概ね8割と言われている。
③合計相続税評価額
①+②=7,080万円
④借入金控除
③-8,000万円=0円以下
相続税評価額は実質0円となる。年数の経過とともに建物の価値は下がり始めるが、借入金は通常元利均等返済であるため、元本の減少は建物の価値減少より遅くなり、財産の実質価値が小さい状態が長期に渡り続く。しかも賃貸物件を保有することで収益力が備わり、納税資金対策にもなる。 |
メリット | デメリット |
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相続評価額の圧縮ができる | 物件が限られている。商品化する事業者が少ない。 |
小口化されているため、遺産分割の際に分割しやすい | 持分の売却が簡単にはできない。不動産事業者ではなく、販売事業者に売却依頼する |
小口化されているため、生前贈与しやすい | 使用することはできないため、所有している実感がわかない |
管理の手間がかからない | |
東京や大阪などの一等地に不動産投資ができる |
小口化不動産には、さらに民事信託と併用することにより相続対策としてのメリットは大いにありますが、デメリットとなる部分もあることから、購入にはやはり検討を要します。
納税資金対策においては、生命保険を活用した対策がオーソドックスな手法です。被相続人を被保険者及び保険契約者、相続人を保険金受取人とすることにより、相続発生時にまとまった資金を用意することができます。さらに相続税の非課税枠(500万円×法定相続人の数)を利用することができるので、納税額の圧縮にもつながります。
法人を経営している場合は、法人名義で生命保険を契約し、被相続人を被保険者とすることで死亡退職金として、相続人にまとまった資金を用意することができます。死亡退職金についても相続税の非課税枠の利用が可能となります。
生命保険を活用した納税資金対策(例:法定相続人が2名の場合)
預貯金の一部を、被相続人を被保険者、相続人を受取人とする生命保険契約を締結することにより、相続税の生命保険金の非課税制度を利用して、相続人に対する納税資金を確保します。
生命保険金は「みなし相続財産」と言われ、遺産分割協議の対象外となることから、指定した相続人に確実に相続させることができる点も利点です。この他にも生命保険を活用した相続対策は数多くあります。ご家族の状況に合った対策を検討する必要があります。